誰もが介護を初めて経験することになります。しかし、現役世代にとって介護を経験したことがある人は少な
いのではないでしょうか。
もちろん、既に親や親戚の介護を経験された方もいます。しかし、その方々も初めてであった訳です。
私達は病気や怪我をしたら病院に行き、治療を受けることで大抵の場合解決することができます。
そして、その当事者は自分自身です。
対して、介護は将来起こることであり誰も最初は経験したことがなく、かつ自分では他者(家族)に生じる問題
です。
多くの場合、現役世代は親と離れて暮らしています。
そして自分自身の生活を維持することに力を費やしています。
親の老いというネガティブなことを意識したくないという心理もあるでしょう。
そして、これは親に起こることであり、自分事と考えにくいとも言えます。
これらにより、親に将来必ず生じるという介護を考えることが先延ばしになってしまうのではないかと考えら
れます。
結果的に現役世代は介護を意識せずに仕事をしていることで、ある日突然生じる親の介護、に大きな混乱と衝
撃を受けます。
会社も個々の従業員の私生活に関わることであり、従業員が介護に直面する可能性を意識しにくいと考えられ
ます。
これらの背景があるということをまず知ることが必要です。